相続事件の種類と費用
遺産分割事件の費用
 ~一般の遺産分割事件の費用
遺産分割以外の相続事件の費用
 ~遺言書のある相続事件、不動産所有権の帰属問題などの費用
遺留分侵害請求事件の費用
遺言書作成の費用
遺言執行の費用

※相談に来られればその都度、説明し、契約書を作成します。ここに書いてあることを理解した上で来てください、ということではありません。

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相続事件の種類と費用

 当事務所では、廃止された東京弁護士会の報酬規定を参考にそれに修正を加えたものを報酬基準としています。
 相続事件は大きく分けると
 ① 一般的な遺産分割事件
 ②一般的な遺産分割事件以外の、相手方のある事件
 ③遺言書の作成などの相手方のない事件
の3種類になります。
 ①の一般的な遺産分割事件というのは、遺言書がなくて、遺産を共同相続人でどのように分けましょうか、という案件です。遺産分割協議、遺産分割調停、審判という手続があります。色々なケースがありますが、言ってしまえば、「権利に従って遺産を分ける」だけなので(複雑な場合もありますが)、弁護士費用の計算(特に経済的利益の考え方)が少々違います。当事務所では原則として廃止された東京弁護士会の基準を参考にしていますが、遺産分割事件では、当事務所独自の基準で算定しています。

 ②は、①以外の事件で、相手方のある事件です。相続に関する事件では、遺言書があって、その有効、無効が問題になる事件、その解釈が問題になる事件、遺留分侵害額請求事件などが典型的なものです。その他、相続に関連して、不動産の所有権が問題になる事件(遺産が第三者名義になっている場合、自分の財産が亡くなった人の名義になっている場合、自分が相続した不動産が第三者名義になている場合など不動産を取り戻す事件など)、亡くなる前後で預金が無断で払い戻されていたという事件などなど、色々あります 。

 これらの事件は、①と違って「権利に従って分けるだけ」ではなく、権利そのものがあるか、ないかが問題になり、財産それ自体を取るか取られるかすることになります。
 これらは、相続事件ですが、一般の所有権に関する事件や債権の存否の事件と同じですから、一般事件と同じように経済的利益を考え、弁護士費用を算定します。

 ③は、遺言書の作成や、家庭裁判所に対する各種審判の申立(相手方のいないもの)、遺言執行など、相手方のいない案件です。これは基本的には案件ごとに手数料のような形で費用を決めています。

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●遺産分割事件の費用

※遺産分割事件とは何かについては、「相続事件の種類と費用」の①をご覧ください。なお、例外的な話ですが、遺言書があるのに遺産分割をしなければならない場合があり、その場合も遺産分割の部分についてはこれに該当します。(*1)

 当事務所の遺産分割事件の着手金・報酬額は、以下のとおりです(これに消費税分を加えたものが、実際の費用額になります)。(平成28年11月21日改訂)(*2)

【着手金】

●遺産総額が6000万円未満の事件
 着手金 40万円
●遺産総額が6000万円以上、1億円未満
 着手金 40万円~80万円
●遺産総額が1億円を越える場合の着手金
 遺産総額、依頼者の法定相続分、難易度に応じて上記の基準を参考に算定します。

※遺産総額には不動産などの他、預金債権なども含みます。
具体的な金額は、遺産総額、依頼者の法定相続分、難易度に応じて上記の範囲で算定します。
※遺産の価額は時価で算定します。不明な場合には概ね判明している金額で算定します(原則追加はしませんが、後で相当大きな遺産があることが判明したような場合には、着手金額を追加する場合もあります)。
※相続人1名についての金額になります。利益相反関係がない場合で複数の相続人からの依頼の場合は加算する場合もあります。加算額は人数、遺産総額、難易度に応じて算定します(2名だから2倍になるとは限りません)。

【報酬額】

●遺産分割によって実際に得た財産(分割で取得した不動産などの財産、代償金の価額、代償金を支払った場合は得た財産から代償金額を控除した価額、競売の代金を分割した場合は得た金額)の0.5を経済的利益として、以下の報酬基準で算定します(概ね、取得財産額の5%前後が報酬金額になります)。

 これを基準として、具体的な事案に応じて契約段階で確定します。実際に得た財産で算定しますが、契約の時点で上限額を決めておき、実際に得た財産額から算定した報酬金額がこれを越えても上限額を報酬額とする場合もあります(上限額ですから、算定した報酬額がこれよりも低い場合は算定した金額になります)。ただし、これは依頼者及び弁護士が合意した場合に限ります。

①経済的利益が300万円以下の場合
 経済的利益×16%
②経済的利益が300万円以上の場合
 経済的利益×10%+18万円
 

(*1)遺言書があるのに、遺産分割をする場合というのは、①遺言書には、相続分の指定があるだけで、具体的にどの財産を誰が取得するのか書いていない場合、②遺言書に具体的な財産を誰が取得するのか書いてあっても、その他に、誰が取得するのか書いてない遺産がある場合などです。③遺言が全部無効という判決が確定した場合は、遺言がなかったのと同じになりますから、遺産分割をする必要があります。

 

(*2)特別受益、特別寄与の有無が問題になる場合には、その金額に相当する部分は、一般的な事件の弁護士費用で算定します。ご依頼の段階では相手方の具体的な主張が分からない場合が多く、その場合は上記の内容で着手金額を決めます。 

(*3)調停などの結果、依頼者が2000万円の財産を取得することになった場合、その0.5の1000万円が経済的利益になります。その結果、報酬額は118万円(これに消費税が加算されます)になります。

 

(*4)例えば、子の努力によって親の財産(相続財産)が増えた場合は、「寄与分」と言って、相続割合が増える場合があります。ただし、親の面倒を見た程度では特別寄与は認められません。主張として無理なことが明らか場合には着手金としても考慮しません。

 

(*5)例えば、二男が自宅を建てる時に親から建設資金の援助を受けた、という場合は、「特別受益」と言って、その援助分を相続財産に加えて、各人の相続割合を計算し、二男についてはそこから援助された分を差し引くことになります。この結果、他の兄弟姉妹の取り分が増えることになります。

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●遺産分割以外の相続事件の費用

 遺産分割以外の相続事件(相手方のあるもの)の費用は、当事務所の一般事件の弁護士費用で算定します。
 当事務所の一般の事件の費用
(着手金、報酬額)は以下のとおりです(言葉の意味については「よくある質問」の「着手金・報酬って何ですか」「経済的利益って何ですか」をご覧下さい)。

※実際の費用は、下記の着手金、報酬額を基準として具体的な事情を考慮して見積を出させていただきます。なお、下記の着手金、報酬額に消費税額分を加えたものが、実際の費用額になります。(2023.2.1改定)

①経済的利益が300万円以下の場合
 着手金 経済的利益×8%   
 報酬  経済的利益×16%
②経済的利益が300万円以上の場合
 着手金 経済的利益×5%+9万円
 報酬  経済的利益×10%+18万円

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●遺留分侵害請求事件の費用

 遺留分額侵害請求事件(旧法の遺留分減殺請求事件)の費用は、一般事件の費用と同じように経済的利益から算定します。
 遺留分事件の経済的利益は、「侵害された遺留分の額」です。これを一般事件の算定式に当てはめて着手金を算定し、裁判などの結果、実際に受領できる額をもとに報酬額を算定します。
 これに対し、遺留分侵害の請求を受ける側からご依頼を受ける場合には、遺留分侵害を主張する側の主張する額をもとに着手金を算定し、その額と最終的に支払った金額の差額をもとに報酬を算定します。

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●遺言書作成の費用

 遺言書作成の費用は、遺言の対象になる「遺産総額」から算定します。なお、公正証書で遺言する場合(弁護士が関与して遺言を作成する場合はこれが原則です)には、公証人に対する手数料が別途発生します。

・遺産総額が300万円以下の場合
 10万円以上20万円以下(これに消費税を加えます)

・遺産総額が300万円以上3000万円以下の場合
 遺産総額の1%+17万円(これに消費税を加えます)

・遺産総額が3000万円以上3億円以下の場合。
 遺産総額の0.3%+38万円(これに消費税を加えます)

・遺産総額が3億円以上の場合
 遺産総額の0.1%+98万円(これに消費税を加えます)
 以上を基準として協議して定めます。

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●遺言執行の費用

 遺産総額を経済的利益として費用を計算します。

・経済的利益が300万円以下の場合
30万円(これに消費税を加えます)
・経済的利益が300万円を越え3000万円以下の場合
経済的利益の2%+24万円(これに消費税を加えます)
・経済的利益が3000万円を越え3億円以下の場合
経済的利益の1%+54万円(これに消費税を加えます)
・経済的利益が3億円を越える場合
経済的利益の0.5%+204万円(これに消費税を加えます)

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